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MCPC IoTシステム技術検定試験 中級 合格への道!

MCPC IoTシステム技術検定とは?

MCPC(モバイルコンピューティング推進コンソーシアム)が主催する、IoTシステムの企画、構築、活用、運用改善をより効果的、効率的に行い更に高付加価値化の創造を生み出すために必要となる基本知識を習得を目的とした検定試験です。

基礎、中級、上級と3段階に分かれておりますが、現時点では基礎と中級の受験が可能です。今年中には上級も開催されるとのこと。詳細は下記リンクをご覧ください。

IoTシステム技術検定

私はIoTセキュリティの業務に携わっていることもあり、一般的なIoTシステム全般の知識を身につけるべく受験をしました。無事昨年12月に受け一発合格することができましたので、勉強方法と試験の内容についてご紹介します。

勉強方法

MCPCが主催する検定試験はそれぞれテキストが出版されており、基本的にはその内容を勉強すれば合格できます。今回対象となるのは以下のテキストです。

IoT技術テキスト -MCPC IoTシステム技術検定 対応-

IoT技術テキスト -MCPC IoTシステム技術検定 対応-

 

 目次を見るとわかりますが、非常に広範囲の技術知識を問われます。モバイルシステムに精通されている方であれば、1~3章はさーっと読む程度問題ないかと思います。私はMCPCのモバイルシステム技術検定1級まで取得しており、この辺りは問題ありませんでした。また7章のセキュリティについても一般的なセキュリティ技術を知っていれば読まずとも試験問題は解けるかと思います。

そうなると残りの4~6章が肝になってきます。特に4章はハードウェア開発やセンサを日ごろから活用されている方でないと、しっかり勉強しないと厳しい内容になっております。5章はビッグデータなどの解析をされている方には楽勝かと思いますが、そうでない方はしっかり勉強されることをおすすめします。6章も同じようにラズパイなんかを日ごろから触っていて馴染みの無い方はしっかり勉強することをお勧めします。残りの8章は基本情報なんかでも出てくるレベルなので、そこまで重要視しなくても問題ないです。出題数も多くなかったです。

第1章 IoT概要
1-1 IoT概論
1-2 IoTシステム構成
1-3 IoTシステム構築技術

第2章 IoTシステム構築技術
2-1 IoTシステム構成
2-2 IoTデバイス
2-3 IoTエリアネットワーク
2-4 IoTゲートウェイ
2-5 広域通信網(WAN)
2-6 IoTサーバ

第3章 IoT通信方式
3-1 IoTエリアネットワーク無線
3-2 IoTゲートウェイ
3-3 広域通信網(WAN)
3-4 プロトコル
3-5 IoTの通信トラフィックの特性

第4章 IoTデバイス
4-1 センサの基礎
4-2 各種センサ
4-3 アクチュエータ
4-4 センサの信号処理
4-5 画像センサ
4-6 MEMS

第5章 IoTデータ活用技術
5-1 IoTデータ活用の概要
5-2 データ分析手法
5-3 データ処理方式
5-4 データ活用技術
5-5 ロボットとIoT

第6章 IoTシステムのプロトタイピング開発
6-1 IoTプロトタイピング開発検討概要
6-2 IoTプロトタイピング・ハードウェア環境
6-3 IoTプロトタイピング・プログラミング事例
6-4 IoTプロトタイピング・ソフトウェア環境
6-5 IoTシステムのプロトタイピング開発における課題・対策

第7章 IoT情報セキュリティ
7-1 IoTにおける情報セキュリティ
7-2 脅威と脆弱性
7-3 セキュリティ対策技術
7-4 国際標準と法制度

第8章 IoTシステムに関する保守・運用上の注意点
8-1 保守と運用
8-2 IoTの契約形態
8-3 匿名化
8-4 BCP
8-5 CCライセンス 

合格基準はどのくらい? 

MCPCの検定試験では合格基準、合格率など公表されておりません。私がこれまで受験してきた感触としては、およそ75%くらいの正答率が求められているのではと感じております。今回私の自己採点でも80%あるかないかくらいでしたので。

資格取得のメリット

IoTシステムにかかわる基礎技術について広く知ることができますので、この資格取得を通して勉強することはIoTシステムの企画、構築、活用、運用に携わる人にとっては大いにメリットがあると思います。ただ、ガチ開発系の方には物足りない内容かと思います。あくまで広く浅くという感じです。また日々新しい技術を取り込む発展途上のIoTですので、これをとったからといって安泰といったものでも全く無いです。

最後に

非常に広い技術知識が求められるので、まずは軸足となる領域を自分の中で持つことが重要になるかと思います。自分の軸足から少しづつエリアを広げるような形で勉強すれば自ずと合格の道が見えると思います。